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マンションの転落事故を防止するために必要な対策とは?

マンションが増え続ける現代、マンションから転落する子供の事故は絶えません。

これまで起こった転落事故には一体どのようなケースがあったのか?

転落事故の事例を元に至った過程や特徴などからどこに転落事故防止のポイントがあるのかを見ていきましょう。

子供の転落事故が起こりやすい年齢・性別は?

マンションのベランダからの転落事故はやはり大人よりも好奇心旺盛な子供に多く発生しています。

特に子供がいる家庭で注意したいのはベランダからの転落事故です。

2018年2月に東京都が発表した『東京都商品等安全対策協議会報告書』によると、平成19年度以降に12歳以下の子供がマンションから転落し救急搬送された事例は計145件になります。

そのうち死亡に至った事故は2件。

入院が必要になる怪我は全体の7割以上を占めています。

年齢ごとに転落事故件数のデータを見ていくと…

1歳: 12件(男:11 女:1)
2歳: 29件(男:23 女:6)
3歳: 22件(男:15 女:7)
4歳: 16件(男:9 女:7)
5歳: 13件(男:9 女:4)
6歳: 10件(男:4 女:6)
7歳: 9件(男:7 女:2)
8歳: 1件(男:1 女:0)
9歳: 7件(男:7 女:0)
10歳:12件(男:10 女:2)
11歳: 6件(男:4 女:2)
12歳: 8件(男:3 女:5)

データからは1人歩きが出来るようになりたての好奇心旺盛の2歳ごろが最も多く、続いて3歳、4歳の事故率が高くなっています。

要因としては高所の危険性を十分に認識できないからと言えます。また、全体的な傾向として低年齢層では女の子よりも男の子の方が事故が圧倒的に多い結果になっています。

転落事故が起こったベランダの環境と主たる原因とは?

事故の発生場所の75%は住宅で起きています。

また、54%が2階からの転落事故で高所の恐怖が感じにくい環境ほど発生件数は多くなります。

では発生した145件の事故のうち、事故につながる動作が何だったのかを見ていきましょう。

転落事故の原因

転落事故の原因を調査した結果は以下のようになっています。

原因不明:119件
手すりを乗り越えて転落:23件
手すりがなく転落:2件
手すりをすり抜けて転落:1件

原因不明となっている事故が多いですが、原因がわかっているものの中では手すりを乗り越えて転落したものが大多数を占める結果になっています。

どのように手すりを乗り越えたのか?

では最も事故原因の多かった手すりをどのように乗り越えたかに注目してみます。

転落に至ったのかの原因について調査したデータが以下のものとなります。

足がかりとなるものを置く:7件
手すりにもたれかかる:4件
手すりの上に腰掛ける:3件
故意に乗り越える:3件
不明:6件

そして、手すりを乗り越える足がかりとして利用されたのが以下のものとなります。

室外機:4件
物干し台:1件
布団:1件
台:1件
プランター:1件

これらのデータからも足がかりになるものが子供の転落事故に繋がっていたことが伺えます。

事故発生前の子供の行動について

では、転落事故が起きたときに子供はどんな行動を起こしていたのか?

計145件の転落事故直前の子供の行動をまとめたデータを見ていきましょう。

・ベランダで遊んでいた:15件
・別室にいたが、子供が1人でベランダに出た:14件
・ベランダから外に出ようとした:6件
・布団を干していた:2件
・ベランダから景色を眺めていた:2件
・下を覗きこもうとした:1件
・ベランダから見送りをしていた:1件
・不明:104件

不明の104件を除けば41件の中で最も多かったのはベランダで遊んでいるときに転落事故が起きたケースでした。

タワーマンションの転落による死亡事故はなぜ起きる?

マンションの転落事故は低層階で起きることが比較的多かったのですが…

近年ではタワーマンションが増え、幼い頃から高所に住むのが当たり前の子供が増えたことで死亡事故の増加が懸念されています。

2016年4月10日大阪の阿倍野区の43階建てのタワーマンション最上階から小学1年生の女児が転落した悲しき事故が発生しました。

阿倍野区の事故現場の手すりは高さは約1m。小学生の女児の平均身長は110cm~120cm。そんな女児が登るには困難な高さのはずですが…

なぜ、転落事故に至ってしまったのか?

事故現場には厚さ20センチのマットが敷かれていて、これが転落事故の原因になったとも言われています。「たった20cmのマットが?」と思われがちですが…

子供の事故は大人では考えが及ばない盲点から発生することが多いです。

1mの高さでは登るのが困難なものも20cmの厚さのマットがあることで、手すりまでの高さは80cmほどになり、容易に登れてしまう高さになります。更に、子供は大人と違い、常に身長が伸び続けています。

つまり、大人にとっては変わらない環境でも子供にとっては常に変化をし続けるということです。

3ヶ月前や半年前までは高かった壁も低いと感じる高さまで成長し、力や運動神経の向上によっても上ることができるようになります。

できなかったことができるようになるとやはり好奇心から上ったりしてしまうのが子供です。

また、テレビ番組やYouTubeなどの影響からアニメのヒーローの真似事をしたくなる子供も多いです。

ほんの少しの環境変化が子供の転落事故に繋がる可能性があることは頭に入れておく必要があります。

転落事故を防ぐためのやっておくべき5つの対策

これまでマンションでの転落事故の調査データを見てきました。

それを振り返ると最も多いケースは足がかりのものが近くにあったことで子供が手すりを乗り越えられる要因を作ってしまっていたことです。

では、具体的にどんなところに注意すべきポイントがあるのかを確認していきましょう。

敷物を窓際やベランダ周辺に置かない

実は小さな子供の場合、足がかりになるものは高い物よりも低い物の方が注意する必要があります。

タワーマンションでの死亡事故も僅か20cmのマットによって手すりまでの高さが変わってしまい事故に繋がってしまいました。

何が危険かというと、敷物は常に敷かれた状態になっているため高さが変わっていることに大人は気づけないというところです。

子供の身長を想定すると、1mぐらいの高さの手すりであれば、20cm変わるだけで胸までの高さがお腹までの高さになってしまいます。

そうなると、手すりを使えば、鉄棒で身体を乗り出すように身体を簡単に上まで持ち上げることができるようになってしまいます。

鉄棒は子供が遊んでいる遊具なので、危険なことを遊び感覚でやってしまうのです。

子供の日頃の遊びを観察すれば、20cm~30cm高さが変わることがどれぐらい危険なことなのかがよくわかるかと思います。

ベランダの手すりは唯一転落を防止してくれるものです。その高さを最大限生かすためにもマットなどの敷物は置かないようにしましょう。

三輪車、椅子、踏み台、植木鉢などはベランダに置かない

次に気を付けたいのが、子供が簡単に乗り降りできるものです。大人は自分目線で危険なものに着目しがちですが…これが危険に対する落とし穴になります。

たとえば、子供用の椅子は低すぎるので大人はその上に乗ろうとは思わないですよね?

しかし、子供にとっては丁度良い高さなのです。

だからこそ、大人が思っているよりもずっと低いものに気を配る必要があるのです。

たとえば、

・子供の三輪車
・植木鉢・プランター
・物干し台などの踏み台
・小さな椅子

など、広いベランダのマンションほどスペースがあるため、置いてしまいがちです。

どんなものでも子供にとっては踏み台になる可能性がありますので、転落事故を防止するためにはとにかく物を置かないことです。

窓際に物を置かない

「窓は鍵を締めているから大丈夫」と思っていませんか?

しかし、小さな子供であっても親から行動を学習し鍵の開け方ぐらいいずれはわかってきます。

そこで危険なのは窓際付近に踏み台にできるような物を置きっぱなしにしていることです。

子供用の小さな椅子や座布団など窓際に運びやすい物を置いていればベランダに置きっぱなしにしているのと変わりません。

それをベランダに持ち出し台座にして、手すりに登ろうとする可能性もあります。

マットや座布団などでも積み重ねていけばかなりの高さになるので、そういった運びやすい物は窓際付近や子供の目に触れる場所には置かないようにしましょう。

子供に高所恐怖症を予め体験させる

子供のベランダからの転落事故がなぜ起きるかを考えると高い場所に対する好奇心です。

生まれた子供の頃から高層階のマンション暮らしを体験しているとその景色の生活が当たり前になってしまい、高所に対する危険を感じなくなってしまいます。

子供は色々な遊びをして身体を動かしていく中で危険察知能力が養われていきますが…

高層階暮らしの場合は公園などに出る機会が少なくなりがちで、マンションの共有施設で遊ばせる生活になってしまうことも少なくないようです。

そうすると、高い場所がどのくらい危険なのかもよくわからない状態になるため、子供の転落事故に繋がっていきます。

そうならないためにも、公園など外で遊ばせる機会を十分に作っていきましょう。

たとえば、低い場所であっても滑って転んで痛い思いをしたら、次からは気をつけようと思いますよね?

そうすると

「こんな低いとこで転んでも痛いなら、高いところで転んだらもっと痛いかも」と危険を察知するリスクマネージメントができるようになっていきます。

このような理由からも子供の内はマンションの中で遊ばせるよりも外で体を動かして遊ばせることをおすすめします。

子供をベランダに出さない

好奇心旺盛な子供には中々難しいことではあるかもしれませんが、子供をベランダに出さないという環境作りもしていく必要があります。

小さな頃から親がいるときいないときに関わらずベランダに出ないようにルールを定着しておく。

子供が興味を持ちそうな物はベランダには置かない。

ベランダのある部屋には常に親と一緒にいるようにする。

転落に繋がる道具を置かないというのは前提の条件になりますが…

子供がベランダに出たいと思わせない環境を作っていくことが大事です。

今すぐベランダと窓際を総チェック

今までお話してきたマットや座布団、子供用の椅子や三輪車など、これらが足場になって手すりを乗り越えてしまうことがあります。

今すぐベランダや部屋の窓際、子供の目に届くような場所に子供の足場になるものがないかを総チェックしてください。

こういった事は先延ばしにするとすぐに忘れ去られて、やらないまま事故が起きてしまうことになります。思い立った今このときが意識を向けられるチャンスでもあります。

子供にとっての転落事故の要因が潜んでいないかを総チェックして、未然に防止しましょう。

チェック項目

□ベランダの地面から手すりまでの高さはどのくらいの高さか?
□20~30cmぐらいの物はないか?
□60cmぐらいの子供が簡単に登れそうな物は転がっていないか?
□部屋の窓際に同様に足場になりそうな物を置いていないか?

まとめ

子供の事故は転落事故だけに限らず交通事故でも同じことが言えますが、大人では思いも寄らないところから事故が起きてしまいます。

これは子供が大人と違って恐怖心より好奇心が上回っているためでもあります。

事故を完全に防げるものはありませんが、限りなく事故を減らす環境を作ることは可能です。

・子供に高所は危険であるという体験を遊びを通じて学ばせておくこと。
・ベランダ付近に子供の台になりそうなものやマットなどを置かないこと。

今一度ベランダの状況を要チェックして事故を起こさない環境作りに取り組んでください。

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